非正規雇用で何年目?【無期雇用転換制度】知ってますか?
派遣社員として働いてる方には是非知っておいてもらいたい制度があります。
もっと正確に言うと、全ての非正規かつ有期雇用で働いてる方には知っておいていただきたいです。
※ 契約社員、アルバイト社員、パートタイム社員、全て含まれます。
厚労省の「無期転換ルール」↓↓
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/0000177137.pdf
無期転換ルールとは?
無期転換ルールは、2013年4月1日の改正労働契約法により施行されました。
目的は有期労働契約者が安定した雇用を確保することです。
【有期労働契約者の生活レベルを改善】
【少子高齢化による労働人口不足への対応】
社会構造が抱える問題の解決策としても期待されており、厚生労働省による定めは以下とされてます。
【無期転換ルール】
「同一の使用者との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期雇用契約労働者からの申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルール」
雇い止めを無くす
派遣社員、契約社員、アルバイト社員、パート社員など、有期労働契約のもとでは反復更新が頻繁に行われてます。
そこで労働者に生じる心配が雇い止めです。
雇い止めとは、契約満了後に雇用期間を更新せず、そのまま契約を終了させることです。
なお契約期間を満了せずに退職した場合には、自己都合の退職扱いとなります。
この様な雇い止めの不安をなくし、有期雇用契約のもとで労働者が安心して働き続けられるよう、改正労働契約法が整備されました。
改正労働契約法の要点は以下です。
①無期労働契約への転換
これがいわゆる無期転換ルールです。
有期労働契約が反復更新され通算5年を超え、労働者側より申し込みがされた場合、期間の定めのない労働契約に転換することができます。
②雇止め法理の法定化
法改正により、労働契約法にて正式に規定されました。
一定の条件のもと、使用者による雇い止めは認められなくなりました。
③不合理な労働条件の禁止
有期労働契約と無期労働契約の間で、期間に定めがあることを理由に不合理な労働条件を課すことは禁止されました。
無期転換ルールの対象者は?
無期転換ルールの対象となる労働者は、原則として同一の会社で通算5年を超えるすべての有期雇用労働契約者です。
具体的には1年や半年、数ヶ月単位で有期労働契約を結び、その契約の更新を反復している労働者を指してます。
雇用形態や雇用名称は問いません。
数ヶ月や半年ごとの更新といった期間で派遣契約を更新する派遣社員は、雇用期間が有期であることから無期転換ルールの対象者です。
契約社員、アルバイト社員、パートタイム社員なども、労働契約期間に定めがあれば、それらはすべて無期転換ルールの対象労働者となります。
※クーリング期間に注意
仮に5年間のうち、働いてない期間(空白期間)があったとしても、6ヶ月以上空いてない場合は通算されます。
【例】
3年間派遣社員として働き、期間満了で一旦契約終了。
派遣先が見つかるまで3ヶ月間待機した後、新たな派遣先で就業を開始して2年勤務している。
この場合は、待機した3ヶ月間が含まれますので、通算で5年経過したものとされます。
逆に6ヶ月以上空いてる期間がある場合は、クーリングオフとなってしまうので注意が必要です。
※上記の理由から、派遣会社は故意に6ヶ月以上の期間を空けて契約し直す場合もあるという事を、頭に入れておいて下さい。
派遣の場合の注意点
ただし、派遣社員は就業先企業と労働契約を結んでいるわけではなく、派遣元企業(所属している派遣会社)との雇用契約です。
すなわち、無期転換ルールの対応が求められるのは、所属している派遣会社ということになります。
期間の定めがある労働契約をしている労働者なら誰でも対象になり、かつ同一の会社で通算5年を超えて雇用されている場合、か無期転換ルールの対象者になると覚えておきましょう。
有期と無期の定義
①有期労働契約
有期労働契約とは、期間の定めのある労働契約のこと。
労働基準法第14条は、1年を超える期間を定める労働契約をしてはならないとしています。
つまり1年契約や6ヶ月契約など、1年を超えない範囲で期間が定められた労働契約を、有期労働契約と呼びます。
パートやアルバイト、契約社員、嘱託社員など、雇用形態や職場での呼称は関係なく、上記条件に当てはまるすべての労働者が対象となります。
理由は強制労働や不当な身柄拘束の危険から労働者を守り、雇用の長期化によって労働者の働き方を束縛しないようにするためです。
②無期労働契約
一方で無期労働契約とは、契約の終了日が定められていない契約です。
両者の違いは雇用形態は問わず、あくまで雇用される期間が有限か無限かの違いによるものと理解しましょう。
無期転換ルールが適用される条件は?
大きく4つの条件があります。
①有期労働契約者の労働契約が、同一の企業との間で5年を超えて反復更新されている
②1回以上有期労働契約の更新が行われている
③現時点同一企業間で労働契約を結んでいる労働者は、企業に対し無期労働契約への転換を申し込むことができる
④労働者から有期労働契約期間満了日までに申し込みがあった場合、企業は無期労働契約への転換をする
無期転換ルールの条件は、1回以上更新された有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合、労働者からの申し込みを受けて、企業は無期労働契約へと転換するというものです。
無期転換の種類
無期雇用=正社員
と思いがちですが、必ずしもそうではない事を覚えておいて下さい。
①雇用期間を変更
無期労働契約を結んだ労働者の活用方法として挙げられるのは雇用期間のみを変更する方法です。
有期労働契約から無期労働契約へと労働契約期間のみを変更し、賃金や労働時間などその他労働条件面の変更はありません。
②正社員へ転換
転換後の労働者の活用方法として最も幅広いのが正社員への転換です。
労働時間や業務内容などに制約がない、キャリアを積んだり将来的に会社の経営を担ったり、各組織のトップに立ったりするのがいわゆる「正社員」です。
”申し出”をしてみよう!
以上の点を踏まえて、自分が通算期間5年以上の有期労働契約者に当てはまるという方は、早速申し出を行ってみてください。
ただ実はこの制度、5年を超えても企業の方から通知しなければならないという義務は無いのです...
意外とここがポイントです!!
罰せられる事もないので、言われなければそのまま放置しておいて大丈夫なんです。
これって損してませんか?
仮にあなたがこれから申し出を行ったとして、企業側が「言われて気が付いた!」と言ってきたら、それは真っ赤な嘘で、「あえて黙ってたのにバレた!」というのが本音だと思って下さい。
所属してる”会社を試す良い機会”かも知れませんね。
さぁ、今すぐ申し出をしてみましょう。