ダメ!絶対!無許可派遣!!
こんばんは。
「無許可派遣」、「偽装請負」が横行してます。
信じられないような本当の話ですが、私の周囲でもよく話を聞きます。
どういう事なのか、解説していきたいと思います。
まず、
労働者派遣とは
労働者派遣とは、自分の雇用する労働者を、雇用関係維持のまま、かつ他人の指揮命令を受けてその他人のために労働に従事させることをいい、労働者をその他人に雇用させることを目的としていないもの
とされています。
派遣元に雇用されているわけですから、当然労働契約は派遣元と結ぶこととなり、派遣先は勝手にその労働契約以外の指揮命令を出すことはできません。例えば、時間外労働はないという労働契約にもかかわらず、派遣先で残業や休日労働を要求される場合などです。
よく混同されるのが「派遣と請負」ですが、全く別物ですので注意が必要です。
【労働者派遣と請負の違い】
請負人が一定の仕事を完成することを約束し、注文主がその仕事の結果に対する報酬を支払うことを約束することによって成立する契約を請負といい、この請負業務を注文主の事業所内で行うことを構内請負といいます。
この構内請負と労働者派遣との違いは、現場における指揮命令の出所が構内請負では請負人、労働者派遣では派遣先であるということです。構内請負は作業する現場が注文主の事業所内というだけで、雇用されている請負人からの指示で労働します。つまり、注文主は単に場所の提供と報酬の支払いだけというわけです。
最近増えてきているのが偽装請負です。
請負と見せかけて、実態は労働者派遣を行っているという違法行為です。
では、なぜ労働者派遣ではなく請負にしたがるのでしょうか?
既述したように、請負は場所の提供と報酬の支払いだけですが、労働者派遣となると派遣先には派遣労働者への安全配慮や事故が起きた場合の補償義務が生じてきます。
また、派遣可能期間にも制限があり、繰り返し同じ派遣労働者を派遣していると直接雇用の義務も生じてきます。
労働者派遣にすると、こういったハードルをクリアしていかなければならないため、名目上請負として契約し、実際は注文主が現場で指揮命令をする違法行為が横行しています。
もし守らなかったら...間違いなく罰せられます!
【罰則】
罰則は次の4段階があります。
1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金
・公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をした者
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
・派遣禁止業務について労働者派遣を行った者または自己の名義をもって他人に一般労働者派遣事業を行わせた一般派遣元事業主
・厚生労働大臣の許可を得ないで一般労働者派遣事業を行った者
・偽りその他不正な行為で一般労働派遣事業の許可を受け又は一般労働者派遣事業の許可の有効期間の更新を受けた者
・一般労働者派遣事業の全部若しくは一部の停止命令又は特定労働者派遣事業の廃止命令又は全部若しくは一部の停止命令に違反した者
6月以下の懲役又は30万円以下の罰金
・厚生労働大臣に届出書を提出せずに特定労働者派遣事業を行った者
・自己の名義をもって他人に特定労働者派遣事業を行わせた特定派遣元事業主又は労働者派遣法令に違反したことを労働者が厚生労働大臣に申告したことを理由として不利益扱いをした労働者派遣をする事業主若しくは労働者派遣の役務の提供を受ける者
・厚生労働大臣の改善命令に違反した派遣元事業主又は派遣禁止業務に就かせることとなる派遣就業に係る労働者派遣の停止命令に違反した者
・厚生労働大臣が報告を求めたにもかかわらず報告をしない又は虚偽の報告をした者
・厚生労働大臣が行う立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
30万円以下の罰金
・一般労働者派遣事業を行う者が厚生労働大臣の許可を受けるために提出する申請書及びその申請書に添付する書類等並びに特定労働者派遣事業を行う者が厚生労働大臣に提出する届出書及びその届出書に添付する書類等に虚偽の記載をして提出した者
・一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業を行う者が事業の変更届及び廃止届並びに事業報告書及び収支決算書を提出せず又は虚偽の報告をした場合、又は一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業を行う者が事業の変更届において虚偽の記載をした場合
・労働者を派遣労働者として雇い入れる際の就業条件の明示、労働者派遣の期間について派遣可能期間の通知、派遣元責任者の選任、派遣元管理台帳の作成、派遣先責任者の選任、派遣先管理台帳の作成を怠った場合
・派遣先へ通知すべき事項を通知しない又は虚偽の通知をした派遣元事業主
・派遣元事業主及び派遣先事業主が厚生労働大臣へ報告せず又は虚偽の報告をした場合
・厚生労働大臣が所属の職員に命じて行う立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
なお、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、上記の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、罰金刑が科せられます。
なぜ、この様な脱法行為が行われていると思いますか?
それは、派遣事業を行うには許可が必要で、その許可を受けるためには様々な要件を満たす必要があるためです。
要件は色々とあるのですが、ここではあえて省略します。
おそらく1番ネックとなっているであろう【資産要件】と【事業所要件】について説明したいと思います。
【資産要件】
「資産要件」の内容は以下です。
・直近決算書で、基準資産が2,000万円×事業所数以上である
・直近決算書で、現金預金が1,500万円×事業所数以上であり、負債総額の7分の1以上ある
事業所が複数ある場合はその数だけ掛け算した分が必要です。
事業所が一つだけなら、確認すべきは直近決算で、預金残高1,500万円以上、純資産2,000万円があるかです。
【事業所要件】
「事業所要件」は、派遣事業所として使用できるかどうかのチェックです。
以下の要件をすべてクリアする必要があります。
・事業で使用し得る面積が20平方メートル以上あること
・使用目的が事務所であること(賃貸借契約書の目的とあっている)
・事業所の独立性が保たれていること(別法人が同居していないか)
・個人的秘密を保持し得る構造であること(鍵付きキャビネット等の設置)
・風俗営業が密集する等事業の運営に好ましくない場所にないこと
申請時に労働局による事業所の実地調査が必ず行われます。
派遣元責任者・職務代行者の席があるか、個人情報を保護できる鍵付きキャビネット等が用意されているか、研修・面談スペースが確保されているか、社名表示されているかなど、事務所要件を確認されます。
このハードルが高いため、無許可派遣や偽装請負に走る悪徳業者が後を絶たない訳です。
あなたが働いてる派遣会社は大丈夫ですか??
きちんと許可を受けて運営してる派遣会社であれば、事業主許可番号があるはずです。
例 派 〇〇-〇〇〇〇〇〇
※〇は数字です
自分が登録している派遣会社の許可番号を確認してみましょう。
混同しやすいですが、「有料職業紹介事業者」では派遣事業は行えませんのでご注意ください。
例 〇〇-ユ-〇〇〇〇〇〇
※◯は数字です
私の地域でも、職業紹介事業者の許可しか無いにも関わらず”請負”と称して派遣事業を行っている輩が存在します。
「請負だから、正社員として採用するよ」
と言って、
派遣先に突っ込むだけ。指揮命令は全て派遣先。
やってる事はモロに派遣です。
無許可派遣や偽装請負を行っていると、突然処分を受けて事業停止になったりするリスクがありますので、
そういう怪しい会社では、絶対に働かない様にしましょう。
突然、職を失う可能性がありますよ!!
悪徳業者やエージェントには注意してください!!
本日も、最後まで読んでいただきありがとうございました。